研究課題/領域番号 |
04640510
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学一般
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
松山 春男 東京都立大学, 理学部, 助教授 (30087118)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ポリアミンアルカロイド / 共役付加反応 / 不斉合成 / 光学活性セラシニン / 光学活性ホマリン |
研究概要 |
植物中より数多く単離されている天然ポリアミンアルカロイドは、いずれも光学活性なアザラクタム構造を有している。天然ポリアミンアルカロイドであるセラシニン及びホマリンのラセミ体は、ケイ皮酸エステルと環状ヒドラジンとの共役付加反応により得られるビシクロ体を、環元的に開環して得られる中員環アザラクタム(8員環あるいは9員環)から合成できることが報告されている。私達は、α位に不斉源として光学活性なカ-トリルスルフィニル基を有するケイ皮酸t-ブチルを合成し、環状ヒドラジンとの共役付加反応によるビシクロ体の不斉合成を検討した。また、得られた光学活性な中員環アザラクタムから光学活性なポリアミンアルカロイドの合成を行なった。 S配置のb-トリルスルフィニル基を有するケイ皮酸のt-ブチルと6員環ヒドラジンとの反応を行ったところR配置のビシクロ体が得られた。逆にR配置の化合物との反応からはS配置のビシクロ体が95%の不斉収率で得られた。(THF溶媒中、室温での反応)またメタノールを溶媒に用いたところ、不斉収率は49%に低下した。このR配置のビシクロ体を開環し9員環アザラクタムを合成し、さらに環拡大反応により13員環アザラクタムに誘導し、R配置のセラシニンを合成した。得られた(R)-セラシニンは正の施光度をもち、また天然のセラシニンは負の施光度を有していることから、天然のセラシニンの絶対配置はS配置であることがわかった。 次に5員環ヒドラジンとS配置のb-トリルスルフィニル基を有するケイ皮酸もt-ブチルとの共役付加反応について検討を行ったところ、R配置のビシクロ体が82%の不斉収率で得られた。このビシクロ体から光学活性な8員環アザラクタムを合成し、光学活性ホマリンへと誘導することができた。
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