研究課題/領域番号 |
04640511
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学一般
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
吉田 潤一 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (30127170)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1992年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 電極反応 / 有機スズ化合物 / 炭素-炭素結合形成 / 有機フッ素化合物 / 有機ケイ素化合物 / 電極酸化反応 |
研究概要 |
本研究では電極反応を利用して有機典型金属化合物の極性変換を行い炭素カチオン種を発生させるとともに、これを利用して新しい炭素-炭素結合形成反応を開発することを中心課題として研究を進めた。 まず、α-ヘテロ原子置換有機スズ化合物の基本的な反応性を調べるために、アルコールなどのヘテロ原子の求核剤存在下での電極酸化反応を行った。反応は円滑に進行し、炭素-スズ結合が切断され炭素上にアルコキシ基が導入された生成物が収率よく得られた。 次に、分子内にオレフィンを有するα-ヘテロ原子置換有機スズ化合物を合成し,電極酸化による環元反応を試みた。フルオロボレートを支持電解として用い電極反応を行うと、炭素-スズ結合が速やかに開裂しスズのついていた炭素とオレフィンの末端炭素との間で効率よく分子内炭素-炭素結合形成反応が進行し、元のオレフィン炭素の一方にはフッ素原子が導入された。この反応は有機フッ素化合物の合成法としても興味深い。 さらに、分子間反応への適用も行った。まず、求核剤として反応性の高いアリルシランを用いて分子間カップリングを行ったところ、炭素-スズ結合が切断され炭素上にアリル基のついた生成物が収率よく得られた。また、求核剤としてシリルエノールエーテルを用いても反応は円滑に進行し、対応するカルボニル化合物が収率よく得られた。 以上のようにα-ヘテロ原子置換有機スズ化合物の電極酸化を行うと炭素-スズ結合が開裂し、炭素上に炭素求核剤が導入できることが明らかとなった。この反応を利用して分子内および分子間炭素-炭素結合形成が効率よく行えることも明らかとなった。
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