研究課題/領域番号 |
04640533
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
天然物有機化学
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
勝村 成雄 関西学院大学, 理学部, 教授 (70047364)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1992年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 光学活性グリシドール / ヒドロキシアミノアルコール / オキサゾリジノンキラルシントン / 立体選択的合成 / スフィンゴシンの合成 / ホスホリパーゼA2阻害剤 / オキサゾリジノンリン脂質 / スフィンゴシン / 両異性体 / キラル補助剤 / 不斉アルドール反応 / グリシドール / オキサゾリジノン誘導体 / キラルな合成シントン / ホスホリパーゼA_2阻害 / リン脂質類縁体 |
研究概要 |
β-ヒドロキシ-α-アミノ酸は、様々な生理活性ペプチドやアミノ糖などの構成成分として、またその前駆体のアミノアルコールは興味深い生理活性を示すスフィンゴシン等の部分構造として、最近大きな注目を集めており、これらの合成研究が活発に報告されている。本申請者は、これらを合成するためのキラルビルディングブロックとして、4-ヒドロキシメチルオキサゾリジノン誘導体を設定し、これをR-(+)-グリシドールからエポキシカ-バメイトを経た厳密な分子内S_N2反応を実現させ、効率のよい合成方法を確立した。次いで、開発した新しいキラルビルディングブロックを用いて、エステルのモノアルキル化やケトンの高立体選択的還元などを実現させ、トレオニノール及びヒドロキシフェニルアラニノールの全ての立体異性体の合成が可能な方法を確立した。上記の方法をさらに発展させ、プロテインキナーゼCの阻害剤などとして注目されているトレオ-及びエリトロースフィンゴシンの合成を達成した。この合成法では、β位にトリアルキルスズ基を導入することにより、極めて高い立体選択的還元によって望むアリルアルコールを合成するという新しい手法を開発している。さらに、先のキラルビルディングブロックから、有機銅試薬を用いたアルキル化によるアミノアルコールの一般的合成法の開発にも成功した。また、新しいホスホリパーゼA2(PLA2)阻害剤として、環状構造を持ちしかもアミド結合を有するオキサゾリジノンリン脂質の合成に成功した。この合成品は、グリセロリン脂質類縁体の中でも最も強力にPLA2を阻害する鎖状アミド類縁体に比べ、幾分阻害活性は弱いながらも十分な阻害活性を示した。また、そのPLA2阻害機構を検討した結果、本来の基質であるグリセロリン脂質に拮抗することが明らかとなった。以上のように、当初予定した研究計画のほぼ90%を達成することができた。
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