研究課題/領域番号 |
04640544
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分析・地球化学
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
澤田 清 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (40089850)
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研究分担者 |
鈴木 俊雄 新潟大学, 理学部, 教授 (20018261)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 炭酸カルシウム / 結晶生成 / 吸着 / 結晶成長阻害 / 共沈 / 結表面電位 / ゼータ電位 |
研究概要 |
本研究は、炭酸カルシウムの生成,転移の機構を熱力学的、速度論的に明らかにし、これらに及ぼすリン酸化合物,無機イオンの影響を解明することを目的とした。本年度は主に、炭酸カルシウムの各多形(カルサイト、アラゴナイト、バテライト)の結晶表面物性と吸着、共沈、成長阻害平衡についての調べた。溶液組成規制法等を用い、粒度分布、比表面積の揃った炭酸カルシウムの各多形を合成しこれらについて以下の結果を得た。 1。結晶表面電位。流動電位測定より、カルサイト表面は通常の溶液条件下の懸獨液においては負に帯電しており、他の多形は正に帯電している。これらの電位は溶液内のカルシウムの濃度とともに正側へ移動するが、pHには依存しない。 2。オルトりん酸の吸着平衡。 溶液内のカルシウム濃度、りん酸濃度、pH等を変化させりん酸の溶液一結晶表面間の分配を測定した。いずれの多形においても、オルトりん酸はカルシウムイオンを伴いイオン対の形で吸着する。ほとんどの場合吸着化学種は、電荷を持たない形であるが、カルサイトへはりん酸濃度の低い条件下では負の電荷を持った化学種が吸着する。 3。共沈および成長阻害。 りん酸イオンの炭酸カルシウムの共沈および結晶成長阻害速度を測定した。これらの共沈、阻害機構は吸着平衡により機構論的に説明できた。これらの機構を大きく規制しているのが結晶表面電荷であることがわかった。 4。結晶生成・転移の過程において重要な役割を果たすと考えられる不安定多形についても研究することにより、炭酸塩岩結晶の生成の全体像を得られるものと考えられる。
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