研究課題/領域番号 |
04640561
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分析・地球化学
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研究機関 | 北海道東海大学 |
研究代表者 |
植松 光夫 北海道東海大学, 工学部, 教授 (60203478)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 大気エアロゾル / 懸濁物粒子 / 海洋堆積物 / X線マイクロアナリシス / 硝酸塩粒子 / 天然放射性核種 / 大気降下物 / 太平洋 |
研究概要 |
1.大気粒子試料はハイボリュウムエアサンプラーを用い、札幌とウラジオストクを測点とし、連続採取を通年行ない得られた。また、北太平洋中央部で研究調査航海を行っている金属鉱業事業団所属「白嶺丸」の船上で同様のサンプラーにより試料を採取した。本年9月16日から10月27日まで東京大学所属「白鳳丸」KH92-4次航海でも南西太平洋の試料を全航程にわたって採取した。 2.これらの大気粒子試料は天然放射性核種であるベリリウム-7(^7Be:半減期53日)について、ただちにガンマ線測定装置を用いて計測した。その結果、^7Be濃度は測点の風向や風力によらずスケールの大きな大気変動に対応して変化していることがわかった。また赤道付近では濃度が中緯度帯の値の30%程度に減少していることから、成層圏や対流圏上部からの粒子を含んだ下降流が極めて少ないことが明らかになった。 3.北太平洋上での^7Be濃度と硝酸塩濃度の変動に高い相関があった。このことから陸上の人為的汚染物質でもある硝酸塩粒子は対流圏中上層を経由し、アジア大陸から北太平洋中央部まで長距離輸送され、海洋大気中に降下してきたものと説明できる。南太平洋ではこれら2成分間の相関はなく、海域の違いは明確になった。 4.日本海盆の水深3600mの観測点で表層堆積物試料と海底直上の海水を濾過して集めた懸濁物試料を得た。堆積物試料は試料を蒸留水中で懸濁させ濾過し、粒子を分散させた試料として調製した。これらの試料はSEM観察と元素分析が可能な炭素蒸着コーティングを行なった。底層直上の懸濁物試料中の鉄とマンガンのアルミニウムとの比は表層堆積物の比よりも高く、海底付近でのこれらの元素の再溶出が確かめられた。 5.日本海表層水で100mまで表面水を含め4層について現場型水中サンプラーにより1から5トンの海水を濾過し、懸濁粒子を大量に採取できる最適条件の検討を行い、満足できる結果を得た。今後、この試料の処理法を検討し、化学成分をはじめ、天然放射性核種を分析することが課題である。
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