研究課題/領域番号 |
04640562
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分析・地球化学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
佐藤 春雄 東京理科大学, 理学部, 助教授 (40124672)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1992年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | フロン / 代替フロン / ハロカーボン / 大気化学 / 分解機構 / オゾン層破壊 / 温暖化 / 環境科学 |
研究概要 |
1.200K〜340Kにおいて、光照射および赤外吸収スペクトルの測定が可能な光路長1mのセルを試作した。低温測定用金属製セル(光路長4cm)で、代替フロンの赤外吸収断面積の温度依存性を検討し、低温では線幅が減少し吸収極大が増大することを明Yらかにした。 2.代替フロンの、塩素原子の水素引抜きで開始される、酸化分解反応を研究した。CH_2FCF_3(HFC‐134a)より、CF_3CFO、CHFO、CF_2Oなどが生成し、反応でのC-Cの開裂率は、70%と見積もった。またCFO‐OO‐CFOやCF_3OOOCF_3の生成を推定した。CH_3CCl_2F(HCFC‐141b)の主生成物は、CCOFOで、中間生成物のCCl_2FCHOやCH_2は最終的にCClFO、CO、CO_2に分解する。またCCl_2FCHOは、水と反応するとCCl_2FCH(OH)_2を、直接酸化されるとカルボン酸を、OHの水素引抜き反応ではCClFOを生成すると推定された。またCCl_2FCHOの分解中間生成物であるCCl_2FC(O)OOは、NO_2と反応し、PANのハロゲン置換体のCCl_2FC(O)OONO_2を生成し、二次汚染を引起こす可能性がある。CHCl_2CF_2(HCFC‐123)などのCHCl_2CX_3型化合物の、分解で生成するCX_3CCl_2Oの反応には、塩素の放出とC-C結合の開裂があり、CHCl_2CF_3、CHCl_2CClF_2、CHCl_2CCl_2F、CHCl_2CCl_3のC-Cの開裂率はそれぞれ0%、7%、13%、15%で、開裂率が、C-Cの結合解離エネルギーに相関すると推定した。第三世代フロンとして注目されているFC_3CF_2CH_2OH(5FP)の酸化分解反応では、中間生成物としてCF_3CF_2CHOが、最終生成物としてCF_2O、CF_3OOOCF_3などが観測された。その他、多くの代替フロンの分解反応で、酸ハロゲン化物、アルデヒド、COCl_2、COClF、COF_2、CO、CO_2が生成し、反応機構がフッ素と塩素の置換数や結合位置に大きく依存することを明らかにした。 3.ハロゲン化アルキルのヨウ素化物の光照射により、直接HCFCの分解ラジカルを気相中に生成させ、酸化分解反応を明らかにした。
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