研究課題/領域番号 |
04640572
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機・錯塩・放射化学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
石黒 慎一 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助教授 (80111673)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 金属錯体 / 錯形成平衡 / カロリメトリー / EXAFS / 有機溶媒 / 立体効果 / 混合配位子錯体 |
研究概要 |
通常、金属イオンは溶液中で、溶媒分子も含めて二種類以上のイオンおよび分子を配位している。このとき、金属錯体の溶液内安定度が単に金属ー溶媒分子あるいは金属ー配位子の二体相互作用によってのみ決定さることは希であり、さらに配位子ー配位子間相互作用が一般に働く。実際、これまでも溶媒分子を含まない混合配位子金属錯体、特に生体関連錯体において配位子間相互作用の重要性が指摘されている。しかし、溶媒分子を含む錯体、さらに溶媒分子のみ配位した溶媒和錯体においても配位子間相互作用の結果、金属イオンの反応性に決定的な相異をもたらす場合があると考えられる。有機溶媒中では、その複雑な分子構造、特に配位原子近傍の局所構造によって、複数の溶媒分子が金属イオンに配位すると立体障害が生ずる。本研究では、この立体障害が生成錯体の安定度と構造に対して、どのような効果を果すのか、熱力学的・構造化学的に研究した。具体的には、溶媒としてジメチルホルムアミド(DMF)とジメチルアセトアミド(DMA)を用い、遷移金属イオンとランタノイド金属イオンのハロゲノ錯体生成の溶媒効果を系統的に比較し、DMAのアセチルメチル基の立体効果が反応性に大きな相異をもたらしていること、また金属ー酸素(溶媒)結合距離が、遷移金属イオンでは、亜鉛を除いてDMFとDMAでは同じであるが、ランタノイドでは、DMFに比べDMA中では短じかいことが判明した。 また、ヒピリジン、フェナントロリンとハライドイオンを含む混合配位子錯体の安定度、生成エンタルピー、エントロピーを比較し、配位子間相互作用の証拠を得た。
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