研究概要 |
ヒドラ(1,000匹)をプロナーゼ(10mg/ml)を含んだ解離液中に2-3時間浸漬後、軽いピペッティングで単細胞に解離した。解離細胞を解離液で洗浄後エルトリエータ(日立)にのせ分画した。エルトリエーションの条件は流量を15ml/minと一定にし、遠心速度を次のように変化させ各分画150mlを集めた:3,500(分画#0),2,800(分画#1),2,000(分画#2),1,500(分画#3),1,300(分画#4),1,000(分画#5) 800(分画#6),500(分画#7)rpm.その結果、分画#0に細胞の破砕物、#1には主として神経細胞、#2-3には小型間細胞(刺細胞及び神経前駆体)#4には主として未分化多能性の大型間細胞、#5-6には外胚葉上皮、#6-7には内胚葉上皮がそれぞれ回収された。 次いで、各分画から全RNAを抽出し、メンブランフィルターにブロットした後、発現細胞が知られているプローブを用いノーザンハイブリダイゼイションを行った。例えば、アクチン遺伝子は全ての分画でほぼ均一なシグナルを呈したが、刺細胞前駆体に特異的に発現するミニコラーゲン遺伝子は分画#2-3でそのシグナルが検出された。 以上の結果から、未知の遺伝子の発現細胞を簡便に同定する方法が確立されたと考える。本法は他の生物にも容易に応用可能である。
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