研究課題/領域番号 |
04640644
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物形態・分類学
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研究機関 | 国際武道大学 |
研究代表者 |
西田 治文 国際武道大学, 体育学部, 助教授 (30164560)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1992年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 植物化石 / 古植物学 / 白亜紀 / 種子植物 / 胚珠 / 針葉樹 / キカデオイデア類 |
研究概要 |
種子植物の初期進化を明らかにする手掛かりとして、北海道産の白亜紀有組織化石の解剖学的研究と記載をおこない、あらたに、スギ科の2新属2種、マツ科の1新属2新種、ナンヨウスギ科の1新種を発表し、中生代後期の針葉樹類生殖器官の構造に多くの新知見を加えた。また、ソテツ系の絶滅群、キカデオイデア目の花化石の解剖にもとずいて、古生代石炭紀初期までの種子植物成立時に、種子(胚珠)の構造に大きく2つの系統が識別できることを示唆した。この結果は、1992年8月に、フランス、パリで開催された、第4回国際古植物学会議において、A permineralized Cycadeoidalean flower from the Upper Cretaceous of Hokkaido and its evolutionary signifioanceの題で、講演発表した。 種子植物の胚珠構造は、すべての群にわたって広範な見直しが必要で裸子植物においては、胚珠構造が多くの化石にもとずいて、現生するいろいろな科についての知見が増加した事は意義深い。また、スギ科との系統関係が議論されている、ヒノキ科の化石もあらたに記載することができ、両者の系統関係を化石から解明する糸口となった。 ナンヨウスギ科の球果では、現生種と比較できる胚珠珠口付近の特徴や、胚の構造が明らかになり、現生属内の4つの節との比較が可能となった。現在、さらに新しい節を構成すると思われる化石を記載中である。 被子植物については、原始的な朔果を形成する興味深い化石を記載中で、日本植物分類学会(1993年3月)において、予備的な講演をおこなった。白亜紀中期の被子植物では、すでに胚珠にかなりの特殊化がおきていることが明らかになった。 現生種のうち、特に注目しているイチョウの胚珠については、花季の材料集収が間に合わず、継続して研究中である。
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