研究課題/領域番号 |
04640670
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物発生・生理学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
高橋 恭一 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70138121)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1992年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 脊椎動物 / 網膜 / 外網状層 / 水平細胞 / シナプス機構 / グルタミン酸レセプター / カルシウムチャネル / 電気生理学 / グルタミン酸 / パッチクランプ法 / グルタミン酸受容体 / カルシウム活動電位 / APB |
研究概要 |
脊椎動物網膜外網状層は視細胞、双極細胞と水平細胞によって構成されている。外網状層内でのシナプス結合及びその機構を解明するには、その構成要素の性質を理解する必要がある。今回、水平細胞に存在するリガンドレセプターとイオンチャネルの性質を調べた。実験は、アメリカナマズから単離・培養した水平細胞に、ガラス管微小電極性とパッチクランプ法を適用して行った。 1.水平細胞に発生するL-グルタミン酸(Glu)応答は、Gluアナログである2-amino-4-phosphonobutyric acid(APB)投与によって制御された。双極細胞に対してはアゴニストとして働くことが知られている。APBが、水平細胞に対してはアンタゴニストとして作用することが明らかになった。また、この抑制作用は、細胞内の酸性化で増大し、アルカリ化で減少した。 2.水平細胞に存在する高閾値型カルシウムチャネル電流は、Gluによって抑制された。この抑制は、Gluによる細胞内の酸性化が原因となっていた。細胞内酸性化による抑制のEC_<50>はpH7.1であり、ヒル係数は約2であった。Gluには、視細胞の伝達物質として光情報を水平細胞に伝達する役割以外に、水平細胞の細胞内プロトン濃度を増加させ、カルシウムチャネルを抑制する神経修飾物質としての作用もあることが明らかになった。 プロトンは現在まで殆ど注目されていない物質であるが、細胞内セカンドメッセンジャーとしてリガンドレセプターやイオンチャネルの制御に関与していることが示唆された。
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