研究課題/領域番号 |
04640674
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物発生・生理学
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
大島 範子 東邦大学, 理学部, 教授 (70057735)
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研究分担者 |
杉本 雅純 東邦大学, 理学部, 講師 (20235899)
藤井 良三 東邦大学, 理学部, 教授 (10045354)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1993年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1992年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 黒色素凝集ホルモン(MCH) / 黒色素胞 / 硬骨魚類 / MCH受容体 / cAMP / カルシウムイオン / プロテインキナーゼC / MCHフラグメント / 赤色素胞 / サイクリックAMP / プロティンキナーゼC / 黒色素凝集ホルモン / カルシウム / 受容体 / 白色素胞 |
研究概要 |
白サケ下垂体後葉より分泌される黒色素凝集ホルモン(MCH)の魚類色素胞に対する作用は色素顆粒凝集であるが、黒色素胞ではどの魚種においても効果があるのに比べて、赤色素胞等の明色色素胞においては効果のみられない魚種もあった。従ってその名のとおり、本来メラニン顆粒を凝集させ、体色明化に寄与するホルモンであると規定することができる。白さけMCHは17個のアミノ酸より成り、5番と14番のシステインがS-S結合でサイクリックな構造をとっている。合成フラグメント(純度99%)でメラニン凝集の活性を調べたところ、インタクトMCH>フラグメント(5-17番)≧フラグメント(1-15番)>フラグメント(5-15番)>フラグメント(1-14番)の順であり、S-S結合のない直鎖フラグメント(1-14番)は全く作用を示さなかった。MCHの顆粒凝集作用にはS-S結合が必須であり、しかも15番のトリプトファンが重要であることがわかった。さらにインタクトMCHは1μM以上の高濃度ではメラニン凝集後に再拡散を誘起することが確かめられ、この再拡散は常に一旦凝集後に生じた。フラグメントでは再拡散は起こらず、完全なMCHが要求される。おそらく2タイプのMCH受容体が存在し、それぞれホルモンとのアフィニティーが異なり、しかも作用発現までに時差があるものと推察した。MCHの作用発現までの細胞内情報伝達にはcAMPが深く関与することがRadio Immuno Assayにより示された。メラニン凝集のみが起こる10nM作用10分後のCAMP量はコントロールの約55%、凝集後再拡散の起こる10μM作用10分後の量は126%と、メラニン凝集とCAMP量の減少が対応し、拡散は増加と対応していた。このように同一色素胞において、同一ホルモンによってcAMPの減少と増加が誘起される特異な例が明確に示されたことは意義深い。Ca^<2+>やプロテインキナーゼCの関与も検討され、後者がメラニン凝集に一定の役割を担っていることも示された。
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