研究課題/領域番号 |
04640684
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物形態・分類学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木村 武二 東京大学, 教養学部, 教授 (90012335)
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研究分担者 |
堂前 雅史 東京大学, 教養学部, 助手 (30207683)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | マウス / ヤマネ / Apodemus / 性誘引物質 / 冬眠 / 育児行動 / アンドロゲン / 尿マーキング / コミュニケーション |
研究概要 |
1.雄マウス包皮腺分泌物中の揮発性成分の分析結果がまとまったので論文として公表した。包皮腺分泌物は分泌後に雌誘引効果を有するようになるが、腺内の分泌物を2日間インキュベートすると新たな成分が出現するので、これらのなかに誘引因子があると思われる。しかし、未だ有効成分の確認には至ってない。 2.雄マウスの育児行動は交尾経験によって促進されるが、交尾未経験でも去勢すると促進される。このことから、交尾経験がアンドロゲンレベルを変化させる可能性が考えられる。今回、去勢後、育児行動を抑制しない量のテストステロン(T)を与えた雄と、抑制するに十分な量を与えた雄の血中T濃度を測定し、交尾経験雄及び未経験雄と比較した。その結果、交尾経験によって発現する育児行動はアンドロゲンとは無関係であることを示す結果を得た。これらの結果は投稿準備中である。 3.ヤマネの冬眠発現に、食料欠乏が気温低下よりも決定的な要因となることについては、第一報を発表した。なお、夏季における食料条件による低体温の発現についても第二報として投稿中である。 4.雄マウスの攻撃行動が隔離によって促進されるという報告は多いが、隔離の意味については不明の点が多い。今回、金網で個体間を隔てる「不完全隔離」を加えて比較検討したところ、完全隔離より攻撃性が上がることが確認された。このことは従来の隔離効果の説明を見直す必要があることを示唆する。 5.Apodemus属のヒメネズミの雄が他個体の尿にどのように反応するかを調べたところ、雌雄の尿が混在する場所を避ける傾向があることが分かった。この種が単婚制であることを考えると、雌雄の尿の混在はつがいの縄張り標識として他の雄を遠ざける機能を持つことが示唆される。
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