研究課題/領域番号 |
04640703
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地質学一般
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
鎌田 桂子 神戸大学, 理学部, 助手 (20192544)
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研究分担者 |
鎌田 浩毅 通産省工業技術院, 地質調査所, 主任研究官
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
600千円 (直接経費: 600千円)
1992年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 漏斗型カルデラ / 阿蘇カルデラ / 阿蘇4A火砕流 / 鳥栖火砕流 |
研究概要 |
日本島弧に多数点在する漏斗型カルデラの形成過程を復元し、地下構造を解明するために、地質調査や掘削データが豊富な阿蘇カルデラにおいて、外来岩片の構成種分析を行なった。 阿蘇カルデラを形成した約7万年前の噴火は、阿蘇4A火砕流、鳥栖火砕流の2つの大規模火砕流を堆積した。この2つの火砕流堆積物は同一の噴火サイクル内に噴出しているが、前者は通常の火砕流であるのに対し、後者は爆発的な拡散型火砕流である。カルデラ縁近傍で阿蘇4A火砕流と鳥栖火砕流に認められる外来岩片に富むラグブレッチャーからカルデラ全周約30度ごとに野外で外来岩片を採取し、実験室内において試料の肉眼及び薄片鑑定を行い、各試料採取地点毎に岩石種別の構成比を求めてカルデラ周辺の基盤地質と照合した。 全ての試料採取地点で認められた岩片種は、いずめの火砕流も安山岩・変質した火山岩であった。また、カルデラからの方位によって含まれる外来岩片の岩石種に変化が認められた。西方では緑色岩を、南方では玄武岩を特徴的に含有し、採取地点ごとの構成岩片種の割合も異なっていた。また、両火砕流の構成岩片種の粒径・岩片種を比較すると、鳥栖火砕流の方が、より西方で粗粒岩片に富み、より深部に存在すると推定される緑色岩が多く含まれることが明らかになった。以上のことから漏斗型カルデラは従来単一火道の噴火により形成されると考えられていたが、今回の阿蘇カルデラでの測定結果は、単一火道モデルでは説明が因難で、複数の異なった火口からの噴火であったことが推定された。また、阿蘇カルデラでは阿蘇4A火砕流から鳥栖火砕流へと比較的短時間に大規模噴火が連続したと見なされるが、後で噴出した鳥栖火砕流の噴出源は阿蘇4A火砕流に比べると西方に片寄っており、より深部で爆発したことが明らかになった。爆発深度の相違は、爆発的な拡散型火砕流をもたらした原因である可能性が高い。
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