研究概要 |
山口県山口市周辺に分布する白亜紀火成岩類の層序・構造についての研究で連続性のよいリング岩脈の存在が明らかになり,コールドロンの外形が浮かび上がってきた.しかし,基盤岩との関係,岩体内に分布する火山岩層の層序,地質構造など,残された問題点も多く,コールドロンの形成過程の解明は今後の課題である.岡山県新見地域に分布する白亜紀火成岩類については,かなり詳細な野外調査を行い,その層序・地質構造・火成活動史を明かにすることができた.また,二上山地域と作東地域についてもの予察的検討を行い,陥没構造を推定した.コールドロン形成場における既存の断裂の影響について検討するために,遠心力載荷装置によってコールドロン形成の模型実験を行った.山陰西部地域は,日本列島において深成活動と同様に古第三紀火山活動が最も活発に行われた地域である.この地域における古第三紀火成活動は総括され(今岡,1986),これらがコールドロン群を形成していること,さらに,コールドロン群における火山活動の推移・堆積環境の変遷・堆積盆の移動などの一般特性が明らかにされてきている.これらの観察事実に基づき,山陰地域の古第三紀コールドロンの形成過程に関する一般化したモデルを作成し,京都IGCで発表した.
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