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Oolitic石灰岩の生物起源検証

研究課題

研究課題/領域番号 04640721
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究機関広島大学

研究代表者

沖村 雄二  広島大学, 理学部, 教授 (60033825)

研究分担者 狩野 彰宏  広島大学, 理学部, 助手 (60231263)
研究期間 (年度) 1992
研究課題ステータス 完了 (1992年度)
キーワードoolite / 石灰岩 / 生物起源
研究概要

石灰岩の生成因が、初生的にはすべて生物起源であるとする近年の研究のなかで、oolitic石灰岩の主構成粒子であるooidsだけは、直径が1mm以下の球状体で、その組織がミクロン単位の多層構造をもつことから、無機化学的成因説が完全には否定されていない石灰岩の構成粒子のひとつである。この研究では、まず世界で数少ないooidsの生成が行われている場所のうち、メキシコ湾バハマ地域、及びペルシャ湾南岸Abu Dhabi地域のooids試料を入手し、走査型電子顕微鏡下で生物生産微細組織の詳細を観察、計測、解析した。微細組織はすべて曲線・曲面によって構成され、多層構造を切る多くの穿孔構造を確認した。次いで石炭紀(秋吉石灰岩)、ペルム紀(イラン国アバデー石灰岩)、ジュラ紀(愛媛県鳥の巣石灰岩)のoolitic石灰岩について、同様の組織の有無の解析を行い、CaCO_3の鉱物結晶転移による微細組織の保存が関連すると思われる不明瞭さはあるものの、初源的には同じ成因と考えられる組織を確認した。さらにこの研究では、現生ooidsには、現在、この粒子の生成に最も有力視されているラン藻類の胞子が生存している可能性をもとに、上記のooidsが採集された海域の海水組成と同じ海水条件をつくり、振動盤培養器を用いて一ヶ月の培養実験をおこなった。研究結果は次のように要約される。1.Cortexの多層構造は、aragonite(長径1〜2μm)結晶の配列様式に起因し、配列はラン藻類によるCaCO_3の分泌過程と関連する可能性がある。2.多層構造を切るburrow状の構造はラン藻類によるmicritizationと関連づけられる。3.現生ooidsと地質時代のそれとは、類似の組織・構造をもち、同じ成因をもつものと考えられる。4.現生ooidsにラン藻類と考えられる球状体のあることから、培養液の調合と光合成の環境条件を整えた容器内で培養実験を行った結果、非晶質の球状体・連鎖球状体・突起をもつ連鎖球状体などが生成された。5.突起物の形状・大きさ等はooidsを形成しているaragoniteに酷似することから、今後この有機体についての生物科学的研究によって、ooidsの生物起源が検証される可能性は大きい。

報告書

(1件)
  • 1992 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] IGO,H.OKIMURA,Y.: "Carboniferous Permian Foremoinifers of Weas Sputzbergras." Hokkaido Unis.Imtorn,Sci,Res,Progrom.(Project.No.01041005). 1. 97-1 (1992)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] KANO,A.: "Paledecology of paleacyply Simid biohetons of the Lower Permian in ceutal Spitzbeegen." Hokkaido Unis.Interm.Sci.Res.Program.(Project No.01041005). 1. 119-125 (1992)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] YOSHIDA,Y.OKIMURA,Y.: "Amygdalophylloides (Ruzosa) from the Carbonifesous of the Onui Limestone,Centrel Japan" Trans Proc.Palaeout.Soc.Japan NS.166. 1116-1143 (1992)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] 狩野 彰宏 KANO,A.: "炭酸塩岩の続成シークエンス層序学の概要" 堆棲学研究会報. 37. 125-126 (1992)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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