研究課題/領域番号 |
04640728
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
鉱物学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
木股 三善 筑波大学, 地球科学系, 講師 (20143167)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1992年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 高温結晶構造 / chi-角 / 四軸X線回折装置 / ゲーレナイト / アケルマナイト / パイロアニオン鉱物 / 分子動力学 / STRUPLO84 |
研究概要 |
高温で晶出するパイロアニオン鉱物の代表種であるゲーレナイトの単結晶を合成し、現有の自動四軸X線回折装置に新しく製作されたX線単結晶回折用加熱炉を装着して、1100℃までの200℃間隔で反射データを測定し、各温度での結晶構造を解析した。この成果は、アメリカ結晶学会の珪酸塩の構造化学のシンポジウムで講演され、アメリカ結晶学会誌に掲載された。さらにこの加熱炉の温度の安定性を高精度化するためには、四軸自動回折装置のchi-角の変化による空気対流(煙突効果)に起因する温度変動を抑止するシステムが必要で、本研究では、結晶温度毎に角度補正をした温度値をフィードバックさせて精密に温度制御しながら測定する同期フィードバックシステムを採用することにより、コンピューターで制御することに成功した。その結果より精密な実験が可能となり、その成果の一部であるアケルマナイトの高温結晶構造は、1992年のカナダ鉱物学会で発表された。次に構造解析用の計算と、その解析結果の結晶構造をシミュレーションするための分子動力学(XD)計算には、解析専用のコンピュータを購入して、データ処理の高速化が可能となり、ゲーレナイトとアケルマナイトの高温結晶構造が再現された。 パイロイオン群のコンフォーメーションの分類は判定が困難で、結晶構造を多面体単位での具現化して、種々の方向から視検して、最適方位を見出すのに試行錯誤を繰返す為、高速計算が可能な結晶構造図作成のプログラム『STRUPLO84』を動作させることにより、鉱物の結晶構造のトポロジカル解析システムが完成された。代表者によるpyrosilicateでの結晶化学的成果を踏まえて、パイロイオンを単位としたその派生構造である鎖状構造、輪状構造、層状構造、フレームワーク構造間の相関関係を体系化し、パイロイオン群固体無機化合物を含めた鉱物に対する新しい結晶化学構成原理を構築しつつある。
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