研究課題/領域番号 |
04640731
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
鉱物学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石井 輝秋 東京大学, 海洋研究所, 助手 (80111582)
|
研究分担者 |
前川 寛和 神戸大学, 理学部, 助教授 (50173696)
|
研究期間 (年度) |
1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1992年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 前弧オフィオライト / マントルカンラン岩 / 蛇紋岩ダイアピル / クリーバブル・オリビン / 藍閃変成作用 / 岩石学的モホ / 前弧海山 / 低温高圧型変成作用 |
研究概要 |
伊豆ー小笠原ーマリアナ弧前縁部には、上部マントルの超塩基性岩に起源を持つ蛇紋岩を主体とする、オフィオライト質岩石からなる海山が分布していて、前弧オフィオライトとか前弧海山等と呼ばれている。その成固として、「マントルペリドタイトが蛇紋岩化して蛇紋岩ダイアピルとして上昇してくる際に、島弧前縁域のウエツジマントル上部及び地穀下部の岩石を捕獲岩として取り込んできている」と考えられている。これらの超塩基性岩及び捕獲岩の岩石学的・鉱物学的研究から島弧前縁部の、上部マントルに至る地質断面を明らかにすることを研究の目的とする。 1.超塩基性岩の研究から次の点が明らかになった。(1)新たにKH92-1で採集した試料約1000個を加え計2000個の試料を観察した結果、前弧域のマントルはハルツバーシャイトとダナイトから構成されていることが解った。(レルゾライトは1個もなかった)。(2)鉱物の化学組織から、これらの岩石は融解の程度が30%にも達する溶け残りカンラン岩である。(3)マリアナ南部でKM92-1で採集したベリドタイトは、クリーバブル・オリビンが多く、マグマ放出後(後続のマントルダイアピルにより?)再加熱をうけたと考えられる。(4)しんかい6500による南部マリアナの潜航調査で、水深5800m付近で岩石学的モホ(マントルと地穀の境界部)と思われる地点を発見した。(5)比較のために調査を行ったインドネシアスマトラ島前弧域のニアス島産超塩基性岩は、(島弧ではなく)海洋性マントル由来と考えられる。 2.異質岩片の研究から次のことが解った。(1)超塩基性岩の均質性に比し、黒質岩片は採集地点により構成岩石の量比、変成の程度が大巾に異なり、地質断面の全体像を描くには、より多くの試料採集、解析が不可欠である。(2)ODP Log125のコニカル海山(中部マリアナ)からの掘削試料中に、変成条件150〜250℃、5.0〜6kbの藍内変成作用(=低温高圧型変成作用)を被った岩石を世界で初めて発見した。
|