研究課題/領域番号 |
04650003
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
池田 進 山形大学, 工学部, 教授 (30007025)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1992年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 強誘電性高分子 / 非線形性 / 二次誘電率 / 三次誘電率 / 電わい / キュリー転移 / 非線形誘電率 / 分極反転現象 / 相転移 / ナイロン11 / NH伸縮振動 / 水素結合 / 結晶成長機構 / 分極反転 / コールコールプロット |
研究概要 |
強誘電性高分子がセラミックス系強誘電体と質的に大きく違うということが、次第に明らかになりつつある。特に分極の形成、反転、結晶成長、強誘電-常誘電相転移などの現象には、著しい高分子効果が観測できる。以下本研究の成果を箇条書きにする。 (1)圧電率の非線形項である電わい率、2次、3次の非線形誘電率など、従来測定できなかった非線形物性量の測定を正確にかつ容易に測定できるシステムの開発に成功した。 (2)高分子強誘電体の示す非線形現象が系の非線形感受率を測定することで、詳細に理解できるようになった。2次の非線形誘電率は結晶の分極状態をよく反映する量であり、3次の非線形誘電率はキュリー転移の熱力学的次数をよく反映する量であることがわかった。電わい率の評価によってVDF/TrFE共重合体の圧電性の起源が明らかになった。 (3)高分子強誘電体の理論の形成に成功した。高分子結晶の強誘電性、自発分極形成、強誘電-常誘電相転移などの秩序の形成、崩壊と密接に関係する現象は分子鎖内相互作用、分子鎖間相互作用によって強く影響され、またその競合によってその高分子効果が生じていることがわかった。 (4)高分子強誘電体としてよく知られており、その本質の研究もよく進んでいるフッカビニリデン系共重合体に関する以上のような研究に加えて、その構造形成に水素結合が関与する奇数ナイロンの強誘電性に関しても、水素結合の関与の仕方に対する知見が得られた。
|