研究概要 |
XeFエキシマーレーザー(波長351nm)及びXeFレーザー励起色素レーザー(波長581nm,パルス幅〜6ns,エネルギー5〜10mJ/パルス)について,n-ヘキサンの液体セルに集光したときに発生する誘導ブリュアン散乱(SBS)の特性について調べた。 1.まず色素レーザー光を、焦点距離の異なるレンズで集光したときの焦点スポットの位置とSBSセルの液面との相対位置により,発生するSBS波の反射率及びパルス幅の変化を測定した。反射率は焦点スポットが液面より外にあるときほとんど0で,液面内に入るに從って増加し,光路長で液面内10mm付近で最大値をとる。その後はレンズの焦点距離が小さいほど早く(40mm程度)減少することが見出された。またパルス幅は,焦点スポットが液面外にあるときは入射波とほとんど変らないが,焦点が液面内に入るに從って狹くなり,上記の10mm程度のピークパワーの点で,入射波のスペクトル幅が0.2cm^<-1>のとき3.0ms(1/2圧縮),エタロンを入れて0.02cm^<-1>にコヒーレンスを上げると1.5ms(1/4圧縮)程度に圧縮されることが知られた。このパルス幅の変化は,昨年見出したArFエキシマーレーザーで焦点が波面付近で最短パルスが観測された結果と明らかに異なっている。 2.上の結果を再検討するため,ストリークカメラによるパルス波形の観測のデータの詳細な再確認を行った結果,ArFエキシマーレーザーパルスはさらに幾つかの幅の狹いパルスの重なりとも見えるデータがあることが明らかになり,発生したSBSパルスはその1部の小パルスにほぼ同程度の幅として圧縮されている場合が検知された。 3.以上の実験結果をさらに確認するとともに,SBSによる位相共役波発生の機構について,特に可視光と紫外光との差について考察を進めた。
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