研究概要 |
衝撃並びに準静的プレスを用いて,従来からの金属材料の塑性加工を改良した手法に従って,ソーダ石灰ガラス,及びアルミナ,ジルコニア,窒化けい素などの実用セラミックス板の(A)粉砕法による穴あけ加工(B)割断法による型どり加工の実用化についての基礎的実験を行なった.得られた結果は次のようにまとめられる. (A)粉砕法による穴明け加工;0.2〜4mm厚のガラス板,0.3〜3mmのアルミナ板,並びに2mmのジルコニア板及び窒化けい素板の穴明け加工を行なった.穴径dと板厚tの比(アスペクト比)が3以下の場合には,穴明け加工に困難を伴うが,3以上アスペクト比があれば,何れの材料においても比較的良好な穴明け加工が可能であることが判った.従来20〜100分の加工時間を要した超音波による穴あけ加工が本加工法では1分以内で完了することが明らかとなった.又異形の穴あけ加工を行ない,これらの穴あけも可能であることを示した.普通サイズ(3〜20mm直径)の穴あけ加工のみならず,0.8mm直径の穴の加工にも成功し,アルミナセラミックス板(0.32mm)に直径0.8mmの穴をピッチ2mmで16個の同時穴あけを可能にし電子部品用穴あけ加工の実現に近付けた.しかしながら脆性材料板に円形の割れを生じせしめ,この割れ面に沿って噴射加工を行なって内部の円板と同形の穴を有する板を加工し,金型に用いる加工法については上記の割れが厚さ方向に少しテーパがかかることなどから,完全な加工の完成には至らなかった。 (B)割断法による型取り加工;主に1〜3mm厚のガラス板,1〜4mm厚のアルミナセラミックス板について,(1)直線状割断,(2)曲線状割断(曲率半径20〜50mm)並びに(3)円形割断(半径5〜20mm)加工の可能性を調べた.(1)(2)については良好な割断がなされ,割断面は充分実用に耐えることが判った.
|