研究概要 |
当初の計画に基づき成果の概要を示す。 1.インピーダンス測定 ネットワークアナライザーが使用できる目途が立ち測定した。そこで,プラズマプロセス中においてインピーダンスを測定する方法を研究し,製作可能であることが分かった。これは,進行中であり,報告書に未記入である。 2.共振器・微粒子生成室の設計 高圧力においてプラズマを発生させ安定に維持するために,2段型共振器と同軸型共振器の2種類の装置を作成した。いずれもこの研究において独自に開発したものであり,この装置を利用して微粒子の生成を行った。前者の装置は,プラズマを安定に維持することに優れ,後者は,共振度が高く,今後,高パワー密度を実現するためには欠かせないものである。いずれも,今回の最高加圧力である5気圧においてもプラズマを発生させることができ,当初の目的を達成することができた。 3.微粒子の作成 上記の装置で,微粒子の作成を試みた。原料は,生成されるものが微粒子及び薄膜を想定したことにより炭素系のものを用いた。微粒子を生成しTEMにより,観察,分析すると結晶性(ダイヤモンドに近い構造)を有することを示した。そこでこの粒子の生成条件について系統的に調査するため,結晶性に着目し,主に次のようなパラメータを変化させた。(1)キャリアガス,原材料ガス及び添加ガスの種類及び濃度比。(2)生成室内圧力,(3)マイクロ波の投入電力,(4)プラズマインピーダンスなどである。各々詳しく分析を行ったが結晶性がよいということを基準として結論するならば,(1)については,ヘリウムとメタンガスの組み合わせに,水素を微少量添加すること,(2),(3)および(4)についてはいずれも高い方がよいことがわかった。また微粒子生成時のプラズマの発光分析を行った結果,スワンバンドの発光が見られ,C_2ラジカルの存在が確かめられた。これが,再結合し,微粒子が生成されているものと思われる。
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