研究課題/領域番号 |
04650080
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
材料力学
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
岡崎 正和 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (00134974)
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研究分担者 |
佐藤 豊一 防衛庁, 技術研究本部, 研究員 (60225977)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1992年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | Ni基超合金 / 微小き裂伝ぱ / 微視組織 / 酸化 / 巨視き裂 / 温度 / 弾性コンプライアンス / き裂閉口 / γ'強化析出相 / 微小疲労き裂進展 / 弾性係数 / き裂開閉口 / 単結晶Ni基超合金 / 多結晶Ni基超合金 / 微小疲労き裂の進展 / 破壊モード / 強度特性の不均一性 / 結晶破壊力学 |
研究概要 |
本研究では、Ni基超合金を対象として、高温における微小疲労き裂の進展挙動を詳細に調査し、その微視組織依存性、温度依存性、巨視き裂との類似点および相違点、それらのき裂開閉口挙動との関連性などについて検討するとともに、これらの知見の一般の金属材料および新材料への適用の可能性などについても探究し、以下のことを明らかにした。 (1) Ni基超合金の微小疲労き裂の進展は、結晶学的なすべり方向、すべり面、結晶粒界、γ'析出相の配列と大きさなど、微視組織の影響を強く受ける。また、き裂開閉口と弾性係数の温度依存性を考慮した本質的な意味での微小き裂伝ぱ抵抗は、温度の上昇にともない低下する。この低下現象には、き裂先端近傍の酸化による主要強化析出相γ'の消失が大きく関与している。また、単結晶材および一方向凝固材は、多結晶材に比べて優れた微小疲労き裂伝ぱ抵抗および疲労強度特性を有し、高温部材への適用が有用である。 (2) 微小疲労き裂の大小関係は概ね疲労強度の大小関係と対応するが、巨視疲労き裂の大小関係は必ずしも対応しない知見を与える。また、すべての材料および温度条件下において、微小き裂の進展速度は巨視き裂のそれよりも大きく、巨視き裂の下限界値以下の条件下においても進展する。このような現象は、Ni基超合金のみならず複合材料等の新材料においても全く同様に見いだされる。以上より、巨視き裂の伝ぱに関する情報のみによりこれら材料の健全性評価を行うことは不十分であり、今後、情報それ自体の蓄積と定量的評価手法の確立が不可欠である。 (3) 単結晶材あるいは一方向凝固材の微小き裂と巨視き裂の伝ぱ速度の相違は、両き裂の開閉口挙動の相違により補償できる。しかし、多結晶材においては、両き裂の相違はき裂開閉口の相違に加えて、破壊モードの相違や局所的な強度特性の不均一性が大きく寄与している。
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