研究概要 |
本研究では,以下の項目について研究を行った. (1)加工誤差のモデル化 機械加工プロセスにおける加工誤差の要因の分析を行い,加工面の形状誤差と創成運動誤差との関係を表す数学モデルを提案した. (2)創成運動による加工誤差の解析 創成運動の誤差に起因して生じる加工面の誤差を定量的に評価し,解析する手法を開発した.また,この手法を用いて,具体的な精密加工プロセスにおける加工誤差の解析を行った. (3)精密加工システムの精度設計の方法論 精密加工システムの精度設計,特に創成運動精度の設計を行う方法論について検討した.すなわち,機械加工システムの創成運動の誤差が加工面の形状誤差に与える影響を定式化した.また,この式に基づいて,加工面の許容誤差から創成運動の誤差を決定する手法を提案した. (4)精度設計システムの開発 (1)で提案した方法論に基づいて,加工面に要求される形状精度に基づいて創成運動の誤差を決定するシステムの開発を行った.このシステムは,同時2軸制御加工および同時5軸制御加工の場合について,創成運動の許容誤差すなわち精度を設計することができる. (5)精度設計システムの評価 エンドミルを用いて同時2軸制御加工および同時5軸制御加工により曲面を加工する場合を取り上げ,創成運動の精度設計を行った.この結果,ここで提案した方法論は精密加工システムの精度設計を行う上で有効であることを確認できた.
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