研究概要 |
平成4年度において以下に示す項目について研究を実施した。 1.間欠渦発生ジェットの三次元渦構造の可視化 渦発生ジェットの三次元構造を解明するため,十分発達した二次元流路流れにジェットを10Hzで間欠的に吹き出させ,流れを可視化することにより,定性的な流動機構を検討した。ジェットにドライアイスのミストを混入し,アルゴンレーザシート光と電磁開閉バルブの任意の位相において35ミリカメラのシャッタを駆動可能な回路を製作し,これらを用いて,流れ方向とスパン方向の各断面の間欠ジェットの渦構造を写真撮影した.その結果,ジェットの先端において主流を巻き込む渦運動の存在が認められた. 2.ジェットの位相平均壁面せん断応力の計測 渦発生ジェットを1Hzより最大14Hzまでの周波数で電磁バルブを1周期に同じ開閉時間で吹き出させ,吹き出し孔出口での熱線流速計による速度の位相平均処理を実施することにより,ジェットの周波数特性ならびに弁の開閉時間との位相遅れを求めた.そこで,位相遅れは認められたものの,所期の間欠ジェットが得られることが判明した。次に,吹き出し比を2通り,周波数を3通りの条件で,周波数特性に優れたマイクロフロセンサにより壁面せん断応力の位相平均分布を求め,流れの可視化で確認された間欠ジェットの定性的な傾向を裏付る結果が得られた. 3.馬蹄形渦の干渉構造の検討 間欠ジェットを馬蹄形渦のどの位置に配置するかを決定するために、三角翼による渦発生器と馬蹄形渦の干渉実験を行い,渦同士の相対位置と渦発生ジェットの方向性が非常に重要であることが判明した。 従って,本年度得られた成果と併せて,残された問題点が明確にされているので,引続き研究を実施することにより,先に提出した本研究計画の目的は短期間に達成されると考えられる.
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