本研究は、代表者らの提唱している能動熱遮断層を分担者が研究に使用している大型太陽炉やイメージ炉によって作られる高熱負荷放射場にさらし、その熱遮断特性を定量的に測定し、数値シミュレーションとの比較を行う。さらに、この装置を用いることによって可能な、あらゆる高温材料を融解させることができるほどの高熱負荷放射場下での能動熱遮断層の耐熱限界を実証すると共に、解析的にも明らかにされていない高熱負荷下の能動熱遮断層の伝熱機構を解明するものである。 本研究研究を遂行するに当たり、工学系の研究所(東北大学流体科学研究所)に所属する研究代表者と、理学系の研究所(東北大学科学計測研究所)に所属する研究分担者が密接に協力し、セノンアークイメージ炉を用いて実験を行い、能動熱遮断層の断熱性能と耐熱性を明らかにする実験を行った。つまり、 (1)まず、能動熱遮断実験装置と計測システムを製作し、それと同時に数値シミュレーションによって伝熱機構の詳細を解析するプログラムの開発を行った。 (2)次に、ガスバーナによる能動熱遮断層の加熱実験を行い、実験結果と数値シミュレーションを比較することによって、1500Kの高温環境からの熱流を3mm程度の能動熱遮断層で遮断し、かつ裏面を常温に保つことが出来ることを実験的に検証した。 (3)現有のアークイメージ炉焦点部の放射エネルギー密度を計測し、本実験に適した放射熱流束分布が得られることを明らかにした。 以上の成果の一部は、国際学会誌Heat Transfer Japanese Researchに掲載予定である。
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