研究概要 |
最初にふく射のみによって加熱される平板の空気によるしみ出し冷却について実験的ならびに理論的に研究した.その結果次のことがわかった.(1)理論結果は実験結果とよく一致し,研究範囲内で最大誤差は5.89%,平均誤差は3.58%である.(2)しみ出し冷却効率は冷却剤の質量流量の増加とともに増加するがその増加の割合は減少する.(3)高温面温度の上昇とともに,冷却効率ははじめ徐々に減少し,次に急激に,その後再び緩やかに減少する. 次に冷却剤として水を使用した場合について,実験的ならびに理論的研究を行い,次の事を知り得た.(1)理論結果は実験結果とよく一致し,冷却効率の平均および最大誤差はそれぞれ,0.53%および1.69%であるが,冷却剤質量流量は実験結果より低い.(2)冷却効率はふく射代表温度の増加ともに徐々に減少するが,主流温度の増加とともに増加する.(3)高温面と被加熱面のふく射係数の増加とともに,冷却効率は減少し,冷却財質量流量は増加する. 再び,冷却剤として空気を使用し,ふく射と対流の影響を受ける場合の冷却効率を実験的ならびに理論的に研究し,次の結果を得た.(1)理論結果と実験結果は比較的よく一致し,両者の平均および最大誤差はそれぞれ2.07%および6.13%である.(2)ふく射と対流の共存場におけるしみ出し冷却効率はふく射のみの場合と,対流のみの場合と異なる.(3)しみ出し冷却の局所的分布は対流熱流束に依存的である.(4)しみ出し冷却効率は高温側代表温度の上昇により減少する. また,冷却剤質量流量の増加とともに改善されるが,その効果はふく射より対流に対して大きい.(5)主流温度の上昇に比較してふく射温度の上昇により,しみ出し冷却効率は著しく減少する.したがって,しみ出し冷却において,ふく射の影響を考慮することが非常に重要である.
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