組立作業は、二つの物体をいくつかの点で接触させ、相対的な位置を互いに拘束させることにより進行する。このような物体の接触状態を、接触点反力だけから推察する限り、理論的には1点の接触点位置を測定できるだけであるが、人間は多点接触を行っている。本研究では、各接触点を独立に順次接触させ、各接触点の情報を測定し、そのデータを総合して、多点接触を維持しながらの移動を実現させることを提案し、次のように、その基礎的な運動について考察し、モデル実験によりそれを確かめた。 1.多点順次接触方法: 物体を相対的に微小ねじ運動させ、順次接触点を探索することになるが、その運動をどのように与えるのが有効か、またその方法による微小ねじ運動の求め方などを一般論として考察し、モデル実験により確かめた。 2.多点接触の維持移動: 多点の接触が一様に安定に行われるための押しつけ運動、一様安定な状態のまま移動させる運動について、それらの運動の求め方などを一般論として考察し、実験により確かめた。 3.ステップ駆動と接触反力位置の制御精度: 購入した小型ロボットの位置決め精度が粗く、ステップ状に駆動される、このままでは点接触は不可能であるが、手首に弾性変形するばねを挿入することを提案し、この場合の多接触点反力の合力位置の制御精度を一般論として考察し、モデル実験により確かめた。 「今後の問題」 (1)物体の移動量を大きく取ることが次の課題であると考えている。 (2)従来とは異なる方法による接触点位置の測定を現在試みている。
|