| 研究概要 |
1.各種の紫外線硬化型メタクリレート系プレポリマー材料および誘電異方性が正または負のネマティック液晶を用い,紫外線強度や雰囲気の温度等の重合条件を変化して,相分離の手法によりポリマー液晶複合分散系の試料を作製した.また,紫外線強度や雰囲気の温度等の重合条件を変化した場合のポリマーのモフォロジーをSEMにより観察し,ポリマーと液晶の混合割合とポリマーのモフォロジーおよび液晶小滴の構造寸法との関連について実験検討を行った.さらに,相分離過程における過渡的な透過率,靜電容量,電気抵抗の変化を詳細に測定し,すぐれた特性の素子を得るための試料作製条件を確立することができた.
2.光散乱状態(白濁)から光透過状態(透明)に変化し,長時間にわたりその光透過状態を持続するメモリ効果について,ポリマーと液晶の界面における分子配向特性の観点から考察すると共に,ポリマーと液晶の組合せとメモリ効果との関連について実験を行い,その特性の改善を試みた結果,すぐれた特性を示すポリマーと液晶の組み合わせを選定することができた.
3.上記のすぐれた特性を示すポリマーと液晶の組合せに基づいて作製した試料により,フレキシブルなポリマー液晶複合膜を構成し,この膜における電圧印加に対するメモリ・消去効果について測定を行ない,その諸特性を明らかにした.さらに,熱転写プリンタおよび半導体レーザを用いて熱的に書き込みを行う方法(ポジタイプ),または熱的に消去した後に書き込む方法(ネガタイプ)等,種々のモードについて実験検討を行ない,これらの基礎的な特性を把握すると共に,各々の問題点を明らかにすることができた.
4.研究成果の取りまとめを行なった.
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