研究課題/領域番号 |
04650264
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子材料工学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
宮入 圭一 信州大学, 工学部, 助教授 (10023251)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1992年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 放電プラズマ / 放電発光スペクトル / スパッタ薄膜 / 誘電体薄膜 / 酸化タンタル膜 |
研究概要 |
反応性スパッタにより作成されたタンタル酸化薄膜の屈折率および減衰定数を光の波長の関数として測定し、作成条件の一つである熱処理温度との関係を調査した。波長に近い膜厚の薄膜の場合、光の干渉のため反射率が振動波形をとり光学的屈折率および減衰定数の評価は単純ではなく難しいが、本研究では減衰も考慮した理論式を用いパソコンの利用により簡単に解析できる方法を確立した。この手法を用い評価した結果、可視光領域で屈折率は作成法に依存して2.4〜2.7の値を、また減衰定数は0.005〜0.03の値をとることが分かった。屈折率の小さな値は長時間かけて作成した場合にえられた。これは酸化が促進されたためと思われる。熱処理温度を350〜550℃の範囲で変化させ調査したが、光学的特性は変化しなかった。これらのことから作成時に特に加熱する必要はなく、屈折率の値のは膜の作成時間(速度)で制御できる可能性があることが分かった。次に、光導波路材料として応用する場合に重要となる光の伝搬特性を調査した。He-Neレーザの光をタンタル酸化膜にカップリングプリズム(ルチル)を用いて導入し、伝搬距離に対する光強度の減衰特性および入射角依存性、また偏光依存性等を測定した。その結果に対して、伝搬損失として酸化層とガラス基板との境界面および表面界面での反射損失と試料内部での吸収および散乱損失の観点から検討したところ、吸収損失が最も大きく、反射率はほとんど100%に近く、減衰の少ない光回路には減衰定数の小さい薄膜を作成する必要があることが分かった。本研究で得られた薄膜の減衰定数は0.3〜0.8cm^<-1>とやや大きいが、通常の光回路は形状が小さくこの程度の損失は許容され、むしろ屈折率が大きい点を活かした応用が考えられる。
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