研究課題/領域番号 |
04650310
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
情報工学
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
村瀬 一之 福井大学, 工学部, 教授 (40174289)
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研究分担者 |
山川 修 福井県立大学情報センター, 助教授
谷藤 学 福井大学, 工学部, 助教授 (60197530)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 光学的電位計測 / 電位感受性染料 / 神経興奮伝播 / 脊髄 / 痛覚 / 神経回路網 / 神経情報処理 / 脳 |
研究概要 |
皮膚や内蔵で発生した痛覚情報は脊髄に送られ、そこで何らかの処理が行なわれた後、脳に伝えられる。また脳からは感覚情報を制御・調節する信号が脊髄に送られ、例えば視覚や感情、他の部位への刺激等によって痛みが軽減されたりする。この脊髄での痛覚情報の伝搬過程で行なわれている情報処理を知ることは生体の感覚情報処理機構を理解する上で極めて重要であり、また脳の情報構造を知る上でも極めて興味深い。 古くから、脊髄神経回路網の研究は医学的観点とくに痛みの治療を目的として生理・解剖・薬理学的手法によって行なわれている。しかしながら、脊髄には小型の細胞が極めて密に存在しそれらの間に複雑な神経結合があることから、そのような実験で得られる部分的な結果から、脊髄における感覚情報の伝搬・処理・調節機構の全体を理解することは不可能で、方法論的に無理な点があるように思われる。 そこで本研究では、摘出ラット脊髄の横断および矢状切片を電位依存性色素によって染色し、その光透過性を高速高分解能2次元センサ・システムを構築して計測し、入力線維への刺激により脊髄に誘発された神経興奮の伝搬を2次元的に実時間で計測・可視化した。そして、各種の薬理的操作と動画像処理によって、入力線維終末の興奮部分と脊髄細胞の興奮部分の分離に成功し、また、興奮性アミノ酸を伝達物質とする異なる時空間分布を持つ2種の信号伝達があることが明らかになった。さらに、我々の開発した神経細胞の同期発火現象による認識仮説に基づく神経情報処理のニューラル・ネットワーク・モデルによって、情報の統合を行なう神経系の同期とカオス的挙動について解明した。
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