研究概要 |
本研究の目的は単位融合(unit resolution)および前向き推論による新しい並列論理プログラミングの方式を確立し,各種の問題解決への応用を調べることであった。この方式の計算では,入力データは単位節の集合として与えられ,計算は単位節に対してホーン節の規則を適用するデータ駆動型の前向き推論によって進められる.このため,本方式は従来の後向の推論にもとづく論理プログラミングでは困難であった大量のデータから結論を引き出すような各種の問題解決に適していることが期待される.本年度の主な研究内容とその成果は以下の通りである. 1.並列計算モデルとその制御方式について基本的な検討を行った. 2.この方式の計算のために設計されたMonolog言語の直列および並列計算のインプリメンテーションについて検討し,Prolog言語によってPrologへのコンパイラを作成した. 3.Monolog言語の制御機能について検討し,簡潔で強力な制御機能(#excl)を考案した.#exclが付加された規則はある単位節に対して一回だけ適用される. 4.以上の制御機能およびインプリメント方式について各種の実験を行い,エイトクィーン問題の解法などの探索処理に対する有効性を確認した. 5.論理超グラフ文法の概念にもとづく構造パタンの識別問題に対する応用について調べた結果.本方式にもとづいた上向き構造解析が有効であることが明らかになった.
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