研究概要 |
現在のコンピュータのマンマシンインタフェースは,キーボードを介したコマンドが主体である.しかし,これからのコンピュータの普及を考えたときに,文字ベースの対話に加えて,もっと自然なインタフェースを使えることが望ましいのは言うまでもないことである.この点に関しては,最近マルチメディアということで,画像や音声がコンピュータに取り入れられつつある. マルチメディア技術の中心は,現在のところ画像や音声情報をどのように効率良くコンピュータに蓄積して,これにいかにアクセスするかということにある.前者について言えば,例えば画像圧縮であり,後者について言えば,例えばマルチアクセス可能な画像サーバの開発である. しかし,さらに先を考えてみると,コンピュータと人間の間のより自然な対話技術の確立というのは,依然として未解決であることが分かる.例えば,人間の間の対話は,自然言語の利用もさることながら,身振りや音,絵などあらゆる種類の情報を使っている.さらに,それらの情報はあいまいであって,例えば情報検索におけるキーワードのように厳密なものではない.しかも,この「あいまいさ」は人間の印象や感性に左右される. 本研究では,以上のような観点に立って,コンピュータと人間があたかも人間同士のようにあいまいな情報を使った対話ができるようにするための,基礎的な技術に関するものであり,印象なども考慮したメディア情報処理を扱っている.
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