研究概要 |
我々はこれまで、機械的な摩擦を介さない超音波モータを実現しようと研究を行ってきたが、その一構成として超音波の放射圧を利用すれば非接触形の超音波モータを実現できることを見い出した。この《超音波の放射圧を利用する非接触形の超音波モータ》について、(1)動作原理の解明、(2)動作特性の解析、(3)設計、(4)試作・実験、(5)小形化の検討、を行った。 当初計画の、(1)動作原理の解明,(2)動作特性の解析については超音波の放射圧が超音波の伝搬方向に移動することが解明され、簡単なモデルについて回転力の解明がなされた。また、最適な動作周波数も理論的、実験的に明らかにされた。 設計、試作・実験は順調に研究が進み、平成4年度は直径10(mm),厚さ1(mm)の小形・非接触超音波モータが実現でき、駆動電圧も約2V(実効値)と非常に低い電圧で動作可能となった。同年度はさらに、直径5(mm),厚さ0.5(mm)の小形・非接触超音波モータが実現でき、回転数約4,000rpmの高速回転が得られた。 次いで、平成5年度は直径2(mm),厚さ0.2(mm)の超小形・非接触超音波モータが完成し、回転数約700rpmが得られた。 また、光ファイバ式微小変位計を回転数の測定用に改良し、回転数の立上がり特性から当初予定のトルクの測定も達成できた。さらに、マイクロコンピュータによる駆動電圧の制御により、非接触超音波モータのステップ動作、回転数のコントロールなどを可能にした。 これらの成果の一部は国際学会や国内の学会において発表を行った。
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