研究課題/領域番号 |
04650458
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高橋 保 京都大学, 防災研究所, 教授 (40027230)
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研究分担者 |
中川 一 京都大学, 防災研究所, 助教授 (80144393)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 土石流 / 石礫型土石流 / 粘性土石流 / 流動モデル / 構成式 / 土砂濃度 / 体系化 / 粘性型土石流 / 流動則 / 石礫含有率 / 間隙流体 / カオリン |
研究概要 |
本研究では、新たに、水とカオリン粘土の混合物からなる高粘性粘土スラリー中に高濃度で粗粒子を含んで流れる粘性土石流を実験水路内で発生させ、見かけの粘性係数が、粘土スラリー自身の粘性係数はもちろん、粗粒子を混合する事によるせん断面積の減少を考慮した増加粘性係数よりも大きくなることを見出した。その原因として、粗粒子をせん断流れの中で分散させることに寄与する粒子間のスラリーの上下方向の振動流れに起因する粘性係数の増分が重要であることを立証した。そして、実験を基に見かけ粘性係数と粘土スラリーの粘性係数の比で定義される比粘度と粗粒子濃度との関係式を導いた。この結果は、本研究で導入した、粒子分散に関わる振動流れの原因が上下層の粒子の接近と遠離に基づくとする理論仮説の妥当性を示すものである。 粘性土石流が含み得る粗粒子濃度と流路の勾配との関係は、石礫型土石流よりも多少は濃度が大きくなる傾向はあるものの大差はなく、実際の粘性土石流がきわめて高濃度で緩勾配地点を流下できる原因について、混合粒径による階層的な浮力増加の機構が示唆されたが、実験による実証までには至らなかった。 粘性土石流の最も顕著な特性である間欠性に関して、本研究によって導入された粘性土石流の流動機構による土石流の流動停止と、再流動に関する理論を開発し、流下に伴う土石流波形の変化の理論を与えた。 以上のような、本研究によって得られた粘性土石流の流動機構とその存在領域に関する理論を、従来の本研究代表者による石礫型土石流の理論と組み合わせて、それぞれの土石流の存在領域および構成式が明らかになり、土石流流動モデルの体系化をはかる本研究の目的はほぼ達成された。
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