研究課題/領域番号 |
04650467
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水工学
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
杉尾 哲 宮崎大学, 工学部, 教授 (70069524)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1993年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1992年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 地盤内の塩分輸送 / 塩分残留 / 分散定数 / 遅れ係数 / 減衰係数 / 海岸地下水 / 砂層モデル実験 / 分散解析 / 侵入・排除 / 数値解析 |
研究概要 |
平成5年度は、砂層内の塩水分散機構の検討と、その侵入予測解析への適用、および実地盤での遅れ現象の確認について研究を行った。研究実績の概要は以下の通りである。 1.砂層内の塩水分散機構の解明については、塩水の侵入と排水を繰り返す鉛直一次元実験を、硅砂と川砂および発泡スチロール球を実験砂として、レイノルズ数を0.1〜2の範囲で変えて行い、砂層内の塩分濃度の変化を測定した。その塩分濃度測定結果を輸送の遅れを考慮した一次元分散方程式の理論解に適用して、分散定数、遅れ係数および減衰係数を同定した。その結果、これらの分散遅れパラメータは実験砂の物性値とレイノルズ数によって異なること、侵入過程と排除過程で値が相違すること、分散定数は0.1程度の値であること、遅れ係数は1.0〜1.2の値であること、減衰係数は10^<-4>程度の小さな値であることを明らかにし、塩分の吸着と塩水の空隙内貯留によって、これらの塩水分散遅れ機構を説明できた。 2.鉛直二次元塩水分散の数値解析については、塩水の侵入と排除を繰り返す鉛直二次元実験を実験砂に硅砂を用いて行い、塩分濃度の変化を測定して、その再現計算を行った。実験結果により、淡塩境界面の形状は侵入過程と排除過程で形状が相違し、排除過程では海側で早く淡水化されて、侵入先端位置の淡水化が遅れていたが、この現象は、分散遅れパラメータを導入した解析によってある程度再現でき、海岸浸透地盤内の塩水分散を予測できることが確認された。 3.実際の砂層地盤における分散遅れパラメータの同定は、屋外計測した塩水濃度の変化を用いて解析を行ったが、その結果から観測規模への依存性を究明するまでにいたらなかった。この点については、今後、より詳細な現地観測を行って、引き続いて検討する予定である。
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