研究課題/領域番号 |
04650491
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
都市工学・衛生工学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
大村 達夫 岩手大学, 工学部, 教授 (30111248)
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研究分担者 |
海田 輝之 岩手大学, 工学部, 助教授 (30117072)
大垣 真一郎 東京大学, 工学部, 教授 (20005549)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1992年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 指標微生物 / 大腸菌群 / 腸球菌群 / 懸濁物質 / 統計的パラメータ / 平板法 |
研究概要 |
現在、細菌学的水質指標として大腸菌群が用いられているが、水質基準値の設定を行う時、測定方法や試料水の性質(例えば、懸濁物質や他の物理化学的性質)によって測定値が変動することが想像でき、今後の水環境の大腸菌群数による水質基準の設定には検討を加える必要があると思われる。そこで、本研究では、上記観点から、試料水の性質としてカオリンフロック(濁度指標に使われる粘土鉱物を擬集させたもの)を形成させた懸濁液中での大腸菌群及び腸球菌群について、両細菌群数の統計的分布を調べることにより、懸濁物質が試料水中の両細菌群の分布にどのような影響を及ぼすか検討を行ったものである。 実験は、両細菌群それぞれについて、懸濁物質を含まない、どちらかと言えば理想化された試料水の場合と、カオリン濃度を10、20、50、100(mg/l)と添加した場合について行い、それぞれの試料における測定値の頻度分布より得られた、平均値、メジアン、モード、標準偏差、変動係数、歪度および尖度を用いて、試料水の違いによる統計的分布特性の差異について考察を行った。実験の結果として、大腸菌群の場合は、カオリンの添加により、測定値の平均値、変動係数、歪度に著しい変動が見られ、腸球菌群に比べて懸濁物質の影響を受けやすいことが明らかとなった。特に歪度については、両細菌群とも懸濁物質を含まない場合に比べて、より歪んだ分布となったが、腸球菌群は、1回のみ影響を受けたにとどまり、懸濁物質の影響を受けにくいことを支持する結果となった。しかし、両細菌群とも、カオリン濃度の増加によってその傾向が強くなることはなく、カオリン濃度が高くなるほどフロックサイズが大きくなることや、フロック数が少なくなることが影響している可能性があり、両細菌群数の統計的パラメータに及ぼす影響についてはフロック径や数がより重要なファクターと考えられ、今後検討する必要がある。
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