| 研究概要 |
本研究では,主として剛接合単層ラチスドームを対象とし,風による動的応答特性並びに耐風設計上の諸問題について検討を行った。以下に,その概要をまとめる。
(1)球形ドームに作用する風荷重に関する文献研究
広範囲に亘る既往の文献を収集し,統一的に整理した。
(2)剛接合単層ラチスドームの振動特性
スパン80〜200mを有する12種類の剛接合単層ラチスドームに対し,固有値解析を行い,固有振動数並びに固有振動モードのライズ-スパン比による変化等を把握した。また、平均風圧力による静的変形が固有振動特性に及ぼす影響について検討した。
(3)ドームに作用する一般化風力の特性に関する風洞実験
(2)の解析結果に基づき,ドームの低次6モードに対する一般化風力を乱流境界層内で測定し,平均値・RMS値・パワースペクトルを求め,それらに及ぼすドーム形状や風向角の影響を明らかにした。
(4)ドームの強風応答特性
(2)で得られた一般化風力の特性値を用いて,強風中におけるドームの応答特性を各モード毎に解析した。一般に,軸対称モードの振動では準静的成分が卓越し,振動全体に対する寄与率も大きい。一方,高次の非軸対称モードの振動では,準定常成分は小さいが風向によっては共振成分が非常に大きくなることがある。
(5)ドームに作用する変動風圧力の時空相関
5種類のライズ-スパン比を有するドーム模型を用い,圧力変動の多点(約200点)同時計測を行い,風圧力の空間的および時間的相関を把握した。
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