研究課題/領域番号 |
04650515
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築構造・材料
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
田中 享二 東京工業大学, 工業材料研究所, 助教授 (40016829)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1992年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 屋根 / 雨 / 防水 / 草葺き / 勾配 / 間隙幅 / 棒径 / 積層 / 草ぶき / 防雨 / 勾配屋根 / 材料径 |
研究概要 |
草葺き屋根の持つ防雨機構の解明を目的とし、積層された材料間を移動する雨水の挙動を調べた。まず強度の降雨状態を再現しうる降雨負荷装置(降雨量2mm/分、雨滴径約3mm、雨滴速度600mm/秒)を設計・試作した。ついで、草葺材料の代替としてガラス棒、ステンレス棒を用いたモデル屋根を用い降雨負荷実験を行った。さらに各種実験結果を基に、雨水挙動のモデル化をおこない、その防雨機構の説明を試みた。得られた結論は以下のとおりである。 (1)棒間隙部における雨水の挙動は、屋根長さ方向への挙動と屋根内部方向への挙動とにわけて説明しうることを明らかにした。 (2)屋根長さ方向への雨水の流れについては、特徴的な二種の形態、「連続した安定した流れ」と「断続した不連続な流れ」があることを見いだした。そしてそれらは、ガラス棒については間隙水長さが50mm、ステンレス棒の場合は12.5mmを境としてモデル化しうることを示した。 (3)屋根内部方向への雨水の挙動については、棒間に保ちうる水量が問題になること、そして保水量は特定領域で極値をもつことを明らかにした。積層する棒の間隙は狭すぎても広すぎても良くなく、防雨性能を最大とする特定間隙領域の存在するが、これがその理由であると推定された。また下層への滴下は不規則な現象であるが、乱数による確率的表現によりモデル化が可能であることを示した。 (4)以上の知見をもとに間隙水挙動の2次元モデルを提案した。二種類の材料について、間隙幅、勾配、積層数を変数とするシミュレーションを行い、実験結果と比較し、ここで提示したモデルが有効であることを示した。 (5)これにより草葺き屋根のように棒状材料が積層された勾配屋根の防雨機構を明らかにするとともに、その性能評価を可能とし、実用面への展開を可能にした。
|