研究課題/領域番号 |
04650538
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築設備・環境工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
古江 嘉弘 京都大学, 工学部, 助教授 (90026162)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1992年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 室内音場 / 積分方程式 / 波動方程式 / 室内過渡音場 / 室形状 / コンサートホール |
研究概要 |
室内での物理的音場は、音源、内装材などの音響特性および室の形状によって決定される。良好な音響特性をもつ室を設計するためには、その形状をどのようにするかが最も重要で、内装材料の選定がそれに続く。特にコンサートホールのような大空間を設計する場合、室形状の計画は重要である。これまで、室形状を検討する場合、主として幾何音響学的音線理論あるいはそれに若干の波動性を加味した近似理論に基づいてなされてきた。しかし、これらの方法は、波長の短い高音に対して適用できるもので、低音に対しては適用できないという欠陥がある。本研究では、特に低音の挙動に注目して、波動方程式と等価な積分方程式を用いて、室形状の音場に対する影響を考察することを目的とし、以下の研究を実施した。 1.キルヒホフの積分公式から得られる波動方程式と等価な積分方程式を用い、任意形状の室内での音場を求めるための計算プログラムを開発した。 2.室内音場を考察するうえで最も基本的な形状である直方体室を対象とし、その寸法比および壁面の吸音率分布の音場への影響をみるため、上記のプログラムを用いて過渡音場の計算を行なった。その結果、天井高が低くなると、受音位置による応答波形の相違が大きくなり、室幅と天井高の比が0.8〜1.0程度で音響的欠陥が少なくなることが判明した。 また室の幅と長さの比が2.5〜3.0程度にすると、充分な側方反射音成分が得られることも判明した。これは、世界的に定評のあるコンサートホールの寸法比に対応するものである。さらに、壁面の吸音率分布を変化させても、応答波形の受音位置による差異はそれほど大きくないこともわかった。 3.1,000席程度のコンサートホールを想定し、また低音楽器の重要周波数とされる37Hzの音波の定常応答を計算した。ホールの形状を変化させることにより、音圧分布も大きく変化することを確認した。ただし、計算結果と主観的音響評価との対応に関する研究が残されている。
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