研究課題/領域番号 |
04650569
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築計画・都市計画
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研究機関 | 国立公衆衛生院 |
研究代表者 |
松本 恭治 国立公衆衛生院, 建築衛生学部, 室長 (30017967)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1992年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 公衆衛生 / 給排水設備 / 事前指導 / 設備管理台帳 / 立ち入り検査 / 事故苦情 / 老朽化 / フィードバックシステム / 衛生設備 / 設備事故 / 環境衛生監視員 / 水道法 |
研究概要 |
平成6年度科研究 本年度の研究調査は(1)前年度に行った調査の集計分析作業・補足調査。(2)集合住宅の衛生設備に対する自治体の指導状況等を調査し、さらに(3)1995年1月17日阪神淡路島大震災で生じた兵庫県内のRC造集合住宅の給水・排水設備等被災状況を緊急調査として加えた。 (1)では都心立地の老朽化した分譲集合住宅で給水、排水等衛生設備の管理状況が悪化している背景としての居住人口の著しい減少を分析したもので、人口減少と老朽化のメカニズムを建築学会に報告した。人口減少は建物の老朽化による居住条件の悪化と長期の建て替え運動による経済的余裕層の外部移転による空き家化及び不動産資本による住宅買収による空き家化等が原因している。但しこれらによる世帯数の減少以上に人口減少は著しく、居住継続世帯は家族規模がさらに縮小し、高齢単身世帯が増加していること、転入者の中では中年単身者比率が増していること等が原因している。極度の人口減少が住民組織の活力を殺ぎ、さらに水質等給水管理環境・建物管理環境を悪化させているが、これは悪循環構造となっている。このような集合住宅が今後増えることが予想されるため、行政からの監視と改善勧告指導システムが緊急に必要となるものと思われる。 (2)では自治体の集合住宅等建物設備台帳整備・データー更新方法・立ち入り検査・管理者向け講習会実施・建築確認時事前審査・調査実施状況等を各自治体に出向き調査した。結果の一部は本年度の日本マンション学会大会に公表される。保健所に於ける集合住宅設備の事前審査実施自治体は現在9箇所で、近い将来実施予定は4自治体があることが判明した。審査の実施の有無と項目、台帳整備項目は自治体毎の違いがあるがこれは他の監視業務事情、住宅・オフィスビル事情、自治体の監視員人事事情等の違いが反映している。集合住宅への取り組みを強化する為には台帳整備の普及、記録項目の改善、行政の横断的協力、職員研修の体制の整備が今後必要と思われる。 (3)の調査は被害状況からみたものであるが、共用設備の今後の震災被害を少なくするための構造的改善必要箇所を整理した。さらに震災被害直後に給水タンク車を効率的に稼働させるための貯水槽利用の臨時地域水センターの考え方を提言した。これらのデーターは設計・管理の場にフィードバックする必要がある。
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