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クラック進展過程における侵入型原子の反遮蔽場効果

研究課題

研究課題/領域番号 04650599
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 金属物性
研究機関九州大学

研究代表者

東田 賢二  九州大学, 工学部, 助教授 (70156561)

研究分担者 成田 舒孝  京都大学, 工学部, 助教授 (10026213)
研究期間 (年度) 1992
研究課題ステータス 完了 (1992年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1992年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
キーワードクラック / 破壊 / 破壊靭性値 / 応力遮蔽効果 / 水素脆性 / ヘリウム脆化 / 侵入型原子 / 応力拡大係数
研究概要

本研究では,金属が易動性侵入型原子によって脆化する現象に理解を与えることを目途して,グロー放電チャージ法を用いて,鉄系合金結晶に種々の侵入型ガス元素を添加しながら破壊靭性試験を行い,クラック進展過程を追跡した.まず,水素及び不活性なガス元素ヘリウムを添加ガス元素として試料に添加しながら,破壊靭性試験を行ったところ,クフック進展時の負荷応力拡大係数の低下が観察された.不活性なヘリウム原子によっても脆化したことから,易動性の侵入型元素による脆化は一般的に生ずる現象であると考えられる.また,ヘリウムを添加した場合の破壊靭性試験において,クラック進展速度を遅くすると負荷応力拡大係数が低下するという,負荷応力拡大係数のクラック進展速度依存性が見られた.しかも,この依存性は水素を添加した場合よりも大きかった.これにより侵入型不純物による脆化現象は,侵入型不純物のクラック先端への集合が影響することが考えられる.さらに,クラック進展速度が7X10^<-7>m/secより遅いとき,水素よりもヘリウムを添加した方が,クラック進展時の負荷応力拡大係数が小さかった.これはヘリウムの方が水素より原子のサイズの効果が大きいためと考えられる.クラック先端近傍の応力状態の計算機シミュレーションを行ったところ,侵入型不純物の添加により,外力を負荷していないにも関わらず,クラック先端近傍に引張の応力集中が見られた.これは侵入型不純物による反遮蔽効果によるものである.また,添加ガス元素のクラック先端近傍の濃度分布についても計算機によるシミュレーションを行った.以上の結果に基づき,水素やヘリウムなどの侵入型不純物による金属の脆化の原因について考察し,クラック先端近傍にそれら侵入型原子が集積すると,その反遮蔽場効果によって応力集中がより進行し,クラックの進展が促進されることを明かにした.

報告書

(1件)
  • 1992 実績報告書

URL: 

公開日: 1992-04-01   更新日: 2016-04-21  

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