研究課題/領域番号 |
04650612
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属製錬・金属化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中村 成子 東京大学, 工学部, 助手 (40217849)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1992年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 塩基性酸化物 / アルカリ土類金属酸化物 / 生成自由エネルギー / 化学平衡法 / カーバイド / 熱力学 / MgO / フラックス / アルカリ土類金属 |
研究概要 |
鉄鋼製錬では塩基性酸化物としてCaOの他にBaO、MgO、Na2O等が使用されているが、これらの熱力学データについては、CaOのデータほどには十分検討されているとはいい難く、真の値を示していない可能性があるため、平成4年度より、BaO、SrO、MgOの生成自由エネルギーの測定について検討を試みてきた。本年度は、その測定を化学平衡法を用いて、即ちそれぞれの酸化物と溶融金属を所定温度、所定酸素分圧で平衡させ実験終了後の金属の組成を知ることにより行った。得られた結果をこれまでに得られている測定値と比較し、データの妥当性について検討を行った。また、CaO等の生成自由エネルギーを測定した際に、平衡させる金属の熱力学的性質を調べたが、その基礎データとして用いたCaC2等の生成自由エネルギーについても、十分検討されたデータとは言えないため、炭化物についても、CaC2、BaC2、SrC2の生成自由エネルギーを測定し、CaOの生成自由エネルギーの値についても考察を行った。その結果、SrO、BaOの生成自由エネルギーはJANAF熱化学データの値とよく一致していたが、MgOのものはJANAFのデータよりも測定温度範囲で15〜22kJ低めの値を示した。各種炭化物の生成自由エネルギーは他者らの値よりもすべて低めの値を示したが、ほぼ近い値を示していた。 本研究により、塩基性酸化物の生成自由エネルギーデータの確定値が得られたことは鉄鋼製錬分野でのプロセスの開発、発展に大きく貢献するのみならず、この酸化物を利用する基礎および応用分野に対する寄与も非常に大きいものと考えられる。
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