研究課題/領域番号 |
04650642
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属材料
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
原 基 (1993) 秋田大学, 鉱山学部, 助教授 (50156494)
品田 豊 (1992) 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (70006675)
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研究分担者 |
中川 時子 秋田大学, 鉱山学部, 教務職員 (40180252)
佐藤 芳幸 秋田大学, 鉱山学部, 助手 (90240671)
原 基 秋田大学, 鉱山学部, 助教授 (50156494)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1992年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 高温酸化 / 廃棄物焼却用材料 / ニッケル / 鉄 / クロム / 鉄-クロム合金 / 塩化水素 / 熱重量法 / 廃棄物焼却炉用材料 / 熱天秤 / 腐食ガス / EPMA / X線回折 |
研究概要 |
酸素雰囲気中に1%程度の微量の塩化水素を含む環境中での各種金属の高温腐食挙動を、独自の実験装置を作成し、熱重量法によって調査した。得られた知見を以下に示す。 純Feでは、雰囲気にHClが含まれる事によって、700℃程度の低温域では腐食が促進され、900℃程度の高温域では揮発性のFeCl_2の生成にもかかわらず、純酸素中よりも腐食量が少なかった。また、高温域では腐食生成物が膨れ上がる現象がみられた。これらの結果は、Feの酸化反応および塩化反応が同時に起こり、酸素および塩素ポテンシャル等の熱力学的条件が温度によって著しく変化するためと考えた。 純Crでは、1%HCl雰囲気中、750〜850℃の温度域でCr_2O_3の生成反応が異常に促進され、それ以外の温度域では、腐食速度は純酸素中とほぼ等しい事がわかった。これは815℃に融点を持つCrCl_2の生成反応が腐食反応に重要な役割を果たしているためと考えられる。 純Niでは、1%HCl雰囲気下、700〜1000℃のすべての温度域で揮発性のNiCl_2を形成し、著しい重量減少を伴いながら腐食が進行するが、層状のNiOスケールを常に伴う事がわかった。腐食速度は同温度の純酸素中に比べ一様に大きくなった。これは純鉄の場合と同様に、Niの酸化と塩化が同時に起こっているためと推察される。 また、Fe-Cr合金では、1%HCl雰囲気中でもCrを合金添加する事によって腐食速度を減少させる事ができた。しかし、数%以下のCr添加量では、逆に純酸素中よりも腐食速度は増大した。腐食生成物の解析により、金属/皮膜界面にCr成分の濃化が認められ、Cr_2O_3と思われる皮膜の内部保護性によって、腐食速度が抑制されると考えられる。 以上に述べたように、本研究費による実験は滞りなく完了し、結果を日本金属学会誌等の学術論文誌に投稿中である。
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