研究概要 |
単結晶Wの表面制御技術の開発 二次再結晶法にて得られた単結晶Wロフドからラウエ法を用いて方位選択カフトを行い(110)表面をだし、機械研磨および電界研磨を行い破砕層を除去した。その後、表面の無秩序層を除去するために必要であった高温(2300℃)熱処理の代りに、水素プラズマ処理(900℃)を行い、より低温で平坦な単結晶W表面を得る技術を開発した。 メタン・水素混合プラズマによるダイヤモンド核形成制御 電子サイクロトロン共鳴(ECR)によるメタン・水素混合プラズマを利用したイオン照射を行い,従来ドライプロセスでは困難であった異種基板上でのダイヤモンド核形成制御を可能とした。このイオン照射により単結晶W(110)表面にはWC(001)がエピタキシャル成長し,引きつづく照射によりダイヤモンド層が形成するのを確認した。この結果は,バッファ層としてNiよりも熱的安定性の高いWCをバッファ層としてダイヤモンドがヘラロエピタキシャル成長する可能性を示すものである。 エピタキシャルNi薄膜上でのダイヤモンド粒子の部分的なエピタキシャル成長 Niのエピタキシャル層を形成した表面上にダイヤモンドを形成した。表面の清浄化を水素プラズマにて行い,表面に存在するNiO層を除去した基板を使用した。ダイヤモンドの核形成密度の上昇および20%程度の粒子がC(111)11Ni(111),C<110>11Ni<110>の方位関係でエピタキシャル成長しているのが確認された。Ni表面のポランシャルが共有結合物質のエピタキシャル成長にとって有効であることが示された。しかし,Ni層が薄いとプラズマによりNiが除去されてしまう問題も指摘されている。最適なNi層の厚みの検討と核形成密度の向上が最重要課題である。
|