研究概要 |
本研究は平成4年,5年度文部省科学研究費補助金一般研究Cとして実施した異材継手の界面強度を評価する試験片が具備すべき条件を実験と研究により検討したものである. 研究結果をまとめると (1)異材継手の界面強度を評価する試験片寸法を境界要素法に基づいて作成したソフトにより,数値解析で検討した.その結果,界面端部の応力分布に注目すれば,最小寸法の8倍以上の寸法を有すれば,界面端部の応力分布は同一となり,注目した寸法の効果が飽和することが明らかになった. (2)次に,残留応力場に注目した試験片として,レジンと鋼の接合継手を作成した.そして,レジンと鋼の継手の剥離温度の実験を行い,実験結果より数値解析値の結論が正しいことを明らかにした. (3)レジンと鋼,及び鋼とセラミックスの引張試験片とせん断試験片を製作し,荷重場での界面強度に及ぼす試験片寸法の影響を実験により検討した.しかし,予算と時間の制限により,引張試験片とせん断試験片では飽和する試験片寸法を実験により証明できなかった.この点が今後の課題である. (4)界面強度を支配するパラメータとして界面端部の応力分布と密接に関連したg値を提案し,g値の数値解析値で剥離温度,引張強度及びせん断強度の実験値が説明できるか否かを比較検討した.結論として,提案したパラメータが実験値の予測に有効であることを明らかにした.
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