研究課題/領域番号 |
04650696
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機工業化学・無機材料工学
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
持田 統雄 横浜国立大学, 工学部, 助手 (50018024)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | カリウムニオブケイ酸塩ガラス / リチウムニオブケイ酸塩ガラス / ラーマンスペクトル / ^<29>SiのMASSNMR / 熱膨張 / ガラス転移点 |
研究概要 |
MO_<1/2>-NbO_<5/2>-SiO_2(M:Li、K)3成分系で、MO_<1/2>30、40、50、60mol%と固定し、SiO_2をNbO_<5/2>で置換した一連の組成系列のガラスを調製した。ガラスのラマンスペクトルを偏光スペクトル法によりピーク分離し、分離したピークをNb含有結晶のラマンスペクトルをもとに帰属した。さらに、^<29>SiのMASS NMRによるSiの状態分析、ガラスの結晶化、ガラス転移点と熱膨張係数の測定を行い、以下のような結果を得た。 1)全域でNb-0^-の伸縮振動のピークが830-910cm^<-1>に観測された。Nb0_6八面体同士が連結したクラスターの生成を示すピークが600-800cm^<-1>に観測された。KO_<1/2>系の50と60mol%系列ではNbO_6クラスターのピークはかなり弱いが、KO_<1/2>系の30と40mol%系列、LiO_<1/2>系の30-60mol%全ての系列でNbO_<5/2>置換量が増加するにつれて強度を増す。 2)層状(Si_2O_5)_n、鎖状(SiO_3)_nのSi-O^-対称伸縮振動(前者は1100cm^<-1>、後者は950cm^<-1>付近)が、NbO_<5/2>置換がかなり進んでも残存する。^<29>SiのMASSNMRでも、非架橋酸素を1個と2個もつSi04に対応するQ_1とQ_2の2本のピークしか観測されず、ラマンスペクトルの結果と一致した。 3)NbO_<5/2>20mol%置換までSi-O-Nb結合の生成によるガラス転移点の上昇、熱膨張係数の低下が観測された。 以上の結果から、これらのガラスが、基本的には、層状(Si_2O_5)_n、鎖状(SiO_3)_nのケイ酸塩網目とNb-O^-結合をもつNbO_6八面体のクラスターが共存、その間をSi-O-Nb結合とアルカリ金属イオンを介したイオン結合が連結した構造をもつことを明らかにした。NbO_6のクラスターは頂点連結クラスターと稜連結クラスターが共存する。
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