研究課題/領域番号 |
04650700
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機工業化学・無機材料工学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中島 剛 京都大学, 工学部, 助教授 (50026233)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1992年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | グラファイト / インターカレーション / フッ素 / フッ化物 / グラファイト層間化合物 / フッ化バナジウム |
研究概要 |
1.高濃度フッ素-グラファイト層間化合物の合成、構造と化学結合 グラファイトの酸化剤としてMoF_6を少量溶解した無水液体HF中に天然黒鉛粉末を分散し、これにフッ素ガスを吹き込んで高フッ素濃度の層間化合物を合成した。生成物は第1ステージのC_<2.0>F〜C_<2.4>F、c軸方向の周期距離5.2〜6.6A、炭素平面内格子定数2.468〜2.473Aであった。XPS測定ではF_<15>スペクトルは687.0〜687.1eVに、C_<15>スペクトルは284.6eVの他にC-F結合を示すピークが287.7〜288.0eVに現れた。またIR吸収スペクトルでは1120cm^<-1>にC-F結合による強い吸収が観察され、これらのデータはC-F結合が半共有性であることを示している。 2.酸化フッ化バナジウム-グラファイト層間化合物の合成と構造 酸化バナジウムをフッ素化し、揮発性のVOF_3をフッ素ガス中でグラファイトと反応させることによって、酸化フッ化バナジウムの層間化合物を合成した。ステージ2から15までの層間化合物が合成され、挿入種の平均組成はVOF_4であった。IR吸収スペクトルではVOF_3ガスの吸収位置に近い760、1040cm^<-1>に強い吸収が観察され、挿入されたVOF_4はVOF_3と過剰のフッ素から成ることがわかった。またXPSスペクトルにもV-F結合とV=O結合を示すピークが観察された。第2ステージ化合物のX線回析、電子線回析測定より、層間化合物は単斜晶形構造をとることがわかった。パイログラファイトをホストとした化合物の伝導度はステージ4〜5で最大となり、1X10^5S・cm^<-1>であった。 3.原子間力顕微鏡によるフッ素-グラファイト層間化合物の局所構造解析 フレーク状天然黒鉛をホストとして合成した第1ステージのフッ素-グラファイト層間化合物をテープで剥離し、局所構造を解析した。多くの領域ではフッ素は無秩序に存在しているが、斜方晶系構造をとる領域が点在することが明らかとなった。
|