研究課題/領域番号 |
04650718
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学・複合材料
|
研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
見城 忠男 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (00005977)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1992年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 燃料電池 / 固体電解質 / プロトン導電体 / ポリリン酸塩 / ポリリン酸 / プロトン伝導体 / 低温燃料電池 |
研究概要 |
リン酸燃料電池の寿命特性を改善するため、リン酸電解質の固体化が求められている。本研究はオルトリン酸の縮合物であるポリリン酸塩を母材とするプロトン導電性固体電解質を作製することを目的とする。 まず、ポリリン酸(HPO_3)に尿素を反応させることによってアンモニウム塩(NH_4PO_3)とした。これをN_2中で加熱分解することにより、NH_4^+の一部をプロトンに変えた。かくして得られた(HPO_3+NH_4PO_3)混合体はかなりの伝導率(300℃で5×10^<-3>S/cm)を示したが、300℃以下で軟化するという難点があった。この低い軟化点を改善するため、Siを含んだ(NH_4)_2SiP_4O_<13>を同様の熱処理により、固体電解質にすることを試みた。得られた試料は400℃以上でも軟化しない高融点物質であったが、伝導率は400℃で9×10^<-3>S/cmとかなり低い値しか得られなかった。高い融点と高い伝導率を両立させるため、NH_4PO_3中に(NH_4)_2SiP_4O_<13>が分散した複合電解質の作製を試みた。まず溶融したNH_4PO_3中にSio_2・3H_2Oを溶かし込み、これを成形金型に流し込むことによってペレットに成形した。NH_3ガス中で加熱することによって表面をNH_4PO_3として吸湿性をなくし、Pt黒電極を焼き付けた。これをH_2中で直流通電し、導電率を測ったところ、400℃でその値が最高になり、0.1S/cmに達した。それ以上の温度では脱水が進み、プロトン濃度が減少し、伝導率は低下した。同様の試みをAl(PO_3)_3-NH_4PO_3系で行った結果、400℃で3×10^<-2>S/cmの伝導率が得られた。H_2濃淡電池を組み、起電力を測定したところ、ほぼ理論起電力に近い値が得られた。このことから、この物質はプロトン導電性であることが確かめられた。
|