研究課題/領域番号 |
04650730
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学・複合材料
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
船引 卓三 京都大学, 工学部, 助教授 (70026061)
|
研究分担者 |
田中 庸裕 京都大学, 工学部, 助手 (70201621)
吉田 郷弘 京都大学, 工学部, 教授 (00025933)
高野 幹夫 京都大学, 化学研究所, 教授 (70068138)
杉浦 幸雄 京都大学, 化学研究所, 教授 (40025698)
|
研究期間 (年度) |
1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1992年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 単核非ヘム鉄錯体 / 酸素化反応 / 酵素類似反応 / 選択性制御 / 不活性炭化水素活性化 |
研究概要 |
メタンモノオキシゲナーゼは2核鉄を含む酵素でメタンをメタノールに変換することが知られている。不活性炭化水素を酸素で水酸化あるいはカルボニル化することは、乏しい炭素資源の有効利用の上からも重要であるが、2核鉄であることは制約があるので、モデル化としては単核鉄錯体を用いて触媒反応を開発することを目指して研究を行なった。 我々の反応系の特徴は、カテコール鉄錯体を用いること、電子供与体およびプロトン供与体としてヒドロキノンを用いる点にある。このことにより、鉄の電子状態はカテコールの置換基により、また、ヒドロキノンの還元能はヒドロキノンの置換基により制御できる。 先ず、本錯体系は芳香族から胞和脂肪族炭化水素まで広範囲な不活性炭化水素に対して活性を示し、常温常圧でアルコールやケトンを生成することが見出された。次に反応の選択性をみると、溶媒としてアセトニトルを用い配位子としてのピリジンを少量加えた系ではアルコールが選択的に生成し、また、反応をピリジン中で行なうとカルボニル化合物が選択的に生成することが見い出された。このような選択性の変化は活性種の配位子の変化によるものと考えられる。ピリジン中の活性種については、カテコール配位子がないものと考えられる。 反応活性種として高原子価鉄オキソ種の生成を考えるのか、水酸化ラジカルのようなラジカル性酸素種を考えるかについては色々議論の別れるところであるが、高いNIHシフトや、反応速度に対する同位体効果を見ると、高原子価鉄オキソ種でラジカル性の高い、かつ、求電子改撃をする活性種が考えられる。現在、反応における位置選択性について検討中である。
|