研究概要 |
1.単分散性がもっともすぐれているポリスチレンおよびシリカ粒子を入手し,バイオラド社製イオン交換樹脂で3週間以上分散液を脱塩すれば完全な脱塩状態になることを見い出した。 2.最大10mmにも及ぶ巨大なコロイド単結晶が発現する最適な粒子濃度,粒子径,粒子の単分散性度,脱塩の程度,分散液中の低分子イオン濃度などを明確にした。 3.巨大コロイド単結晶の近接カラー写真を約5000コマ撮影し,合計30時間のビデオテープに収めた。またコロイド単結晶の光学顕微鏡撮影を行った。そして,巨大単結晶の形態と大きさ,色調などを系統的に記録した。 4.液中に発現する均一核生成にもとずくブロック状の単結晶と,容器の壁面から不均一核生成し生長した柱状の単結晶に2種類が共存することを見い出した。 5.現有装置を用いた透過光および反射光スペクトル測定により巨大コロイド単結晶の結晶格子の型や格子定数,ブラッグ面の数などを決定した。特に,結晶の内部構造と単結晶の形との相関関係を明らかにした。 6.一連のコロイド単結晶の融解臨界濃度と融解温度を決定し,コロイド結晶の相図を完成させた。また,本申請者により初めて開発された沈降平衡法により巨大コロイド単結晶の結晶弾性率を求めた。 7.本報告者により世界で初めて見い出された巨大コロイド単結晶の発現機構を平成4年度内にほぼ明確にすることが出来た。
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